人類は終了しました〜最後の一人と最後の一体〜1(ミク,人間,シリアスあるいはほのぼの?)
2011.10.01
えー、タイトルがギャグになっちゃいましたが笑
内容は基本的にほのぼのですが死にネタも含むのでご注意ください。
一話にはまだミクは出てません。
見渡す限り薄茶色な大地に風が吹いた。湿ったにおいが流れていく。
僕は冷たい空気が入らないよう衣服をかき合わせた。
視界に入ってくるのはどこまで歩いてもずっと似たような景色ばかりだ。
一面の土と瓦礫の間にかつては何かの建物だった残骸ぽつぽつ立っている。
僕が産まれるよりなん世代も前に地球人口は極限に達したらしい。
あまりに増えすぎた人類は貴重な資源を巡って争い少ない資源ますます減らすという馬鹿なことをした挙句
何度かの戦争のちわずかに残った居住可能な地域別れて住むことにしたそうだ。
これが僕の親から聞いたこれまでの歴史というやつだ。
正直人間が沢山存在して植物もそこらへんに生えてたなんて信じられない以前に想像もつかない。
よくこの話をしてくれたお母さんもあんまり信じてないみたいだった。
おばあちゃんは昔はここも何十人も人がいたんだけどねぇとそういう話をするたびに言ってたけど。
僕の知っている人間は四人だけだ。おばあちゃんとおじさんとお母さんと自分。
そして今生きてるのは僕だけだ。
僕が住んでるのは円形亜寒流地適応型環境自動維持シェルターW。直径50m、高さ10mぐらいのまんまるの白いドーム形状をしている。
太陽光による自動発電機や空気中から水分を抽出する機能がある。
ドームの中は中央に大きな円形広場があり、その外側に個人が住むための小部屋がぐるりと一周してつながっている。
前は出入口の近くの部屋に僕とお母さん、
そのとなりの部屋におばあちゃん、
反対側におじさんが住んでたんだけど、今は母さんと住んでた部屋で一人で暮らしている。
一人での生活はとても静かだ。自分が出す音以外の音は、機械がたてる微かな作業音ぐらい。
歌う人が…いや、せめて何かを話せる人がいたらいいのに。わかってる、そんなことはありえない。
今人間が存在していると考えられているのは一番近い場所でもここから何千kmも離れた場所だ。
誰かに会いたいと思うなんてばかげたことだ。
それでも…静けさに押しつぶされそうな日にはこんなことが頭をよぎってしまう。
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