食べたのだぁれ?(ミク,リン,レン,ギャグ風味 )
2011.08.22
「私のプリンがなーい!!」
現在は小鳥の鳴き交わす声が耳に心地よいしずかな昼間時、突如リンの大きな怒声が家中に響き渡った。
「どうしたんだよー」
「何かあったの?」
突然の大声に何事かと家にいたミクとレンも台所にやってきた。
リンは冷蔵庫の前で空っぽのプリンカップを右手に持ち仁王立ちしている。
「私が大事に大事にとって置いたプリンっ、あれだけ私のだって言っといたのに、楽しみにしてたのに、さっき食べようと思ったら無くなってたのよ!誰が食べたのっ!?」
眉をつりあげてここまで一気呵成にまくしたてるとリンは二人をジトッとにらみながら見上げた。
「お、俺じゃねーよ」
「あら、おかしいわねー私でもないだけど?」
少し目をそらしつつ答えるレン。そんなレンに妙に微笑み浮かべたミクが台詞を重ねる。
「ねえ変な話ねー、確かにプリンが無くなってるのに誰も食べてないなんて。」
「だから俺じゃねーって」
さっきよりも小さな声になったレンの宙をさ迷う視線を正確に追跡しながら
「誰が食べたはずだよね?」不穏な雰囲気とは不釣り合いに笑顔のまま言葉を重ねていく。
「私みたんだけど、昨日の夜中にさ、ほらリンがお風呂入ってる時、レンなんか台所でこそこそしてたよね。あれって何してたの?」
空気が一気に重くなる。見えない重圧がのしかかりレンは顔があげられない。
「…レン?」座った目をしたリンが追い討ちをかける。
「半分っ、半分しか食ってねーよっ!」
勢いよく顔上げると焦った口調でそういった。
「えー、今さら言い訳しても余計に罪が重くなるわよー?」
「信じらんないっ!そんなもんどこに証拠があんのよ!?とにかく弁償してもらうからね!幸い徒歩5分で買いに行けるしねっ!!」
半笑い口調のミク。
先ほどまで静だった分マシンガンのごとく責め立てるリン。
「今から買いに行くわよっ!すぐ用意してねっ10秒以内にね!」
レンはまだ…半分、本当だってなどと小さくつぶやいていたがもうリンの耳には届いていないようだ。
そのまま疾風のような勢いでレンをほとんど引きずるように腕引っ張りながらリンは家を飛びだしていった。
「いってらっしゃいー」と笑顔で見送ったミクは一人になると真顔に戻りつぶやいた。
「でも私が食べたのは半分残ってたやつの半分だけ、なんだけどなー」
全部食べちゃったらかわいそうかなと思って
4分の1残ってたの食べたのは…
小言でそんな一人言をいいながら玄関から部屋へ帰っていった。
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