中在家 長次
 2012.11.13 Tue 23:40








11月13日(火)






秋と言えばスポーツの秋、食欲の秋、勉学の秋、そして何より読書の秋。


読みかけの本を片手に駅のホームで電車が来るのを待っていたんだが今日は午後から風が強くなってきて帰宅の時間は雲が流れるのが早いと感じた。

ふと何の気も無しに顔を上げたんだが自分の正面には下り方面のホームがあるだけで其処は無人だった。俺は何時も、電車のみ先頭車両に乗る、人が少ないお陰で座れるし本もゆっくり読める、絶好の場所だ。

だから、自分の左手側には少し行ったところにトンネルがある。

風がまた強く吹いて、俺はトンネルの方へ顔を向けた。あるのは暗いトンネルだけで他には大して変わったところのない景色だったが、どこか俺を不思議な心地にさせた。

風が、へんだったんだ。

さわさわとざわざわと表現しづらいその感覚はただただ俺を不思議な心地にさせて心を乱した。


何故あんな風に思ったのか、何がそうさせたのか、どうしたのか。
今日は一日そんなことを考えていたせいで帰りの電車の読書もままならないまま帰宅したが今さっき気が付いたんだ。

何となく、切なかったんだと思う。


何故かは分からない、けど、秋は悲しくて寂しくて切ない。



それもまた秋の醍醐味だと思う。











中在家長次










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